2008年04月20日

貝殻の中で

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CONTROL

梅田ガーデンシネマにて。JOY DIVISIONのヴォーカリスト、イアン・カーティスの伝記映画。ロック史のお勉強のつもりで見に行った(笑)のだけど、むしろもっとミニマルな、個人的なことも含めた人間関係についていろいろ考えてしまった一本。

ある程度ロックが好きな人ならば、もうこの人の運命がどうなっているかは知っているだろうから、ラストで衝撃を受けることはないはず。まあそんな予備知識がなくたって、映画を通してずっと流れているあの時代の音楽とモノクロ映像の閉塞感だけで、決してスッキリした終わり方ではないと予想できるだろうけど。私もそんなことではなくて、一体この人が何を考えていたのか、どうしてそういう決断に至ったのかを見るつもりだった。

でも、この映画を見たって、私は根が楽天的な性格だから、きっとこの人の考えていることは一生わからないだろうと思った。こうやって映画を見ながら思いをはせればどうにか頭で理解することはできても、感覚としては絶対に絶対にわからないだろうと思った。

どうしたら彼を救えたのか、わからない。最初から救いようがなかったのかもしれないし、救って良いものなのかもわからない。だけど少なくとも、周りの人が彼に少しでも近づくためには、彼には何も求めてはいけないと思った。ありのままの彼を許し、受け入れる姿勢。難しいだろうな。愛想悪いし、不倫だし(苦笑)。救う側の人間にも限界はあるってことね。

こんなに貝のように固く心を閉ざされてしまったら、どんな温かい言葉も想いも届かない気がする。やがて力になりたいと思うことが無駄のように感じられる。力になれない自分と、力にならせてくれない相手が憎らしくなる。それはとても寂しい。彼にとっても、周りの人々にとっても。

閉じこもるのが自己防衛反応だとしたら、ステージ上で歌うのは裸の自分を見られているようなものか。そう考えると、彼にとっては耐えがたい苦痛のような気もしてくる。きっと自分が情けなくて嫌いで仕方がなかっただろうから。こんな自分の内面を誰にも見せたくないから音楽にぶつけて解消していたのに、その音楽が人々に求められることで、どんどん苦痛になっていく。そして最後の決断。…私には想像することしかできないけれど。


ラベル:JOY DIVISION
posted by きょん at 23:50| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆Movies | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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